2020.12 サイトをOPENしました。

【フリーランス・副業ライター活用方法】スキルの測り方、見極め方

 

【フリーランス・副業ライター活用方法】の連載では、フリーランスや副業の「ライター」に文章執筆を依頼するために必要なノウハウや、心構えをお届けします。

 

「文章」は、ビジネスと切っても切り離せません。書籍原稿の執筆から、コンテンツマーケティングに必要なサイト記事、ランディングページ制作、ECサイトの商品紹介やキャッチコピーに至るまで、プロのフリーランスライターの力を借りるべき場面は思いのほか多いはずです。

また、Webに載せている文章は、サイトの検索順位を決定づけるSEO(検索エンジン最適化)にも直結しますから、売上も左右する大切な要素となります。

 

文章は誰にでも書けるため、誰もが「ライター」と名乗れてしまいます。そのため、ライターとしての力量は千差万別。同じコストをかけるなら、文章がうまく、多くの見込み客を集められるライターに依頼したいものですよね。

では、フリーランスライターの力量を適切に見極めるには、どうしたらいいのでしょうか。発注担当者が見極めるべきポイントも含めて具体的に解説します。

 

見極める方法(1)ポートフォリオを提出してもらう

ライターが過去のライティング実績(ポートフォリオ)をまとめているなら、必ず見せてもらいましょう。

 

自身の氏名で出版している著書があるなら、ライターとしての力量は相当高いです。1冊の本を書き上げるには、少なくとも5万字以上の分量が必要ですし、それだけの情報量をわかりやすく構成して組み立てるのも、一定レベル以上の論理的思考力が求められるからです。

自著でなくても、代筆(ブックライティング)によって、他者の著書をまとめた経験のあるライターも、一定以上のライティングスキルがあると考えていいでしょう。

 

Web記事のライティング経験がポートフォリオに盛り込まれているのであれば、必ずURLを送ってもらい、記事の実物を読んでください。

これから依頼しようとしている記事に、ジャンルや分量ができるだけ近い過去記事に目を通し、読みやすくまとめられているかどうか、読者目線でチェックします。

 

加えて、自分の名前を出している「署名記事」か、名前を伏せている「匿名記事(無署名記事)」かどうかでも、記事の性質が変わってきますので注意しましょう。

署名記事であれば、個人の主観や考えを記したり、個性を発揮することも許されますが、匿名記事では一貫して客観的な内容が求められるからです。両方うまく書き分けられるライターもいますが、署名記事の執筆実績が多いライターに、匿名記事を依頼したり(※)、その逆を依頼したりする場合は、力量の判断に十分に注意しなければなりません。

※たとえば、署名記事でのエッセイは得意だけど特定のテーマについてデータや事実をもとに解説することは苦手、ということもあります。

 

キーワードで上位表示させることを目的にしたSEO記事についても、同様です。SEO記事を書くのが得意なライターが、読者を引き込んで魅了する文章を書けるとは限りませんし、その逆もまたしかりです。

 

見極める方法(2)テストライティングをする

もし、過去の実績の中に、これから依頼しようとする文章に近いものが見当たらなければ、実際にライターに記事を1本書いてもらってから判断しましょう。

テストライティングでも、適正な原稿料を支払うのがフリーランスに対する最低限のリスペクトでありマナーです。テストライティングを無料で頼むことは、クライアントとしての評判を下げかねません。

 

ライティングスキルの見極めポイント

ライターの過去記事や、書き下ろしてもらったテストライティング記事を読むとき、注意を払いたいチェック項目は次の通りです。(以下すべてをクリアできていることが、ライターとして必要最低限を満たすラインと考えていただければと思います。)

 

読み手目線を意識して書いている

書き手の主観に頼らず、「読者が何を求めているのか」を意識して書けるかどうかは、ライティングスキルを測る最重要のポイントです。特に、無署名記事では必須です。

たとえば、一部の専門家にしか通じない特殊な用語を使うときに、その定義や説明を添えられていなことがあります。このようなライターは最低限の読み手目線すらも意識できていないと判断し、評価を下げるべきです。

一方、官公庁・公的機関ががまとめた統計など、客観的なデータ(※)も添えて説明できるライターであれば、安心して任せることができます。

※データの引用元については、個人のブログなどは好ましくなく、官公庁・公的機関の統計など信頼性の高い機関が発表したデータを使用することが一般できです(自社調査データなどは除く)。

 

説明の順序(構成)に注意を払っている

プロのライターであれば、文章を書く前にかならず「何を伝えるのか(内容)」「どうやって伝えるのか(伝える順序)」を考えます。

インタビューであれば、聞いた話をそのまま書けばいいじゃないか、と思う方もいるかもしれません。ですが、実際のところ、インタビューで話を聞いた通りに文章を書くことはありません。一番、盛り上がる部分を強調するために前後の話を入れ替えたり、表現を調整することはよくあります。もちろん嘘は書きませんが、意味が伝わる、わかりやすくする、おもしろくするといった目的のためには、必要な作業なのです。

このように、説明の順序に気を配った文章を書けるライターは、必要十分な論理性を身につけている=スキルが高いと判断できます。

 

誤字脱字の少なさ

数千字のボリュームがある記事で、誤字脱字が1~2カ所ほどにとどまっていれば、大目に見ましょう。しかし、それ以上の誤字脱字が目立つライターは要注意です。せっかく質の高い内容の記事でも、誤字脱字が多いだけで、記事内容の信頼性、ひいてはクライアント企業の信頼感まで損ないかねないからです。

 

表記の揺れ

表記の揺れとは、ある単語が2通り以上の書き方をされることにより、表記がばらついてしまうことです。誤字脱字ほどではありませんが、全体として表記に揺れが見られる文章も、その内容の信頼性を疑わせてしまう不利な要素のひとつです。

「とき」「時」や、「こと」「事」などが混在している文章や、「常体(だ・である調)」と「敬体(です・ます調)」がたびたび入れ替わっている文章は、特に要注意です。

 

長すぎる文

「~が、~」「~から、~」「~ため、~」のように、複数の文章を接続詞で安易に繋ぎすぎている文章は、読者にとって意味がわかりにくくなります。短すぎてもテンポが悪くなりますが、長すぎる一文は接続詞を省略し、複数に分割したほうが、読者に優しい記事となります。

 

同じ語尾の連続

たとえ文章が短くまとまっていても、たとえば「~~します。~~います。~~します。」など、同じ型が連続していると、読者に稚拙な印象を与えかねません。語尾に自然なバリエーションを持たせられるライターは、能力が高いといえます。

ただし、前述した『読み手目線』『説明の順序』『誤字脱字』のほうが大切ですので、それらの要素よりはチェックの重要度が下がります。