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【フリーランスのよくあるトラブルと対処法】フリーランスから「報酬を上げてほしい」と求められたら、クライアント企業はどうすればいい?

 

仕事を依頼しているフリーランスに「賃上げ要求」をされたことはないでしょうか。

もちろん、その要求に応じることもあるでしょうが、予算の関係などで、要求を断らざるをえない場合もあるはずです。報酬を上げてほしいと求められた場合の対処法について解説します。

 

無理に要求に応じる必要はありません

フリーランスに支払う報酬額の相場は、業界ごと、時代ごと、業界歴や経験ごとに、いちおう形成されていますが、そこまでこだわる必要はありません。

クライアント企業とフリーランスが合意できていれば、その報酬条件で契約を結べば十分なのです。当事者が納得していれば、どのような内容の契約を結んでも自由なのが、この資本主義・個人主義で裏付けられた現代社会の基本です。

 

ただ、よほどの売れっ子で、たくさんのクライアントが成果物を奪い合うようなフリーランスでない限り、「この報酬額で満足だ」と納得している場合は少ないように思います。大半の場合は「報酬はあればあるほどいい」と思っているはずです。

その要求を、すべて鵜呑みにして対応する必要は、もちろんありません。対応していては、きりが無いからです。まず、「フリーランスからの賃上げ要求に無理に応じる必要はない」ことを前提として、対処法を考えていきます。

 

予算が限られていることを、率直に説明する

フリーランス側は、クライアント企業の内部事情について、ほとんど知ることができない立場にあります。

だからこそ、その内部事情をしっかりと説明するクライアントに対して、好感や信頼の気持ちを抱くことが多いのです。

そこで、報酬を引き上げたい気持ちはやまやまだけれども、「外注のための予算が限られていること」「上司による決裁が得られないこと」など、担当者自身の判断が及ばない理由によって、報酬を上げられない事情を丁寧に説明することが重要となります。

 

成果物のできあがりを褒める

報酬を上げてほしいと求めてくるフリーランスは、必ずしも多額の報酬が欲しいのではなく、自分の仕事ぶりに対する正当な評価を、報酬額に反映させてほしいという本音を持っている場合があります。

つまり、クライアントから「自分の仕事ぶりを評価してもらえない」という不満の気持ちが、報酬アップ要求に現れているのです。

もし、フリーランスとの間で事務的なやりとりのみを行っている担当者は、たまには成果物の完成度を、ひとこと褒めるなど、文面に一手間かけてはいかがでしょうか。それだけで、フリーランス側の不満が抑えられ、報酬アップ要求がおさまることも少なくありません。

 

他の条件で譲歩して対応する

報酬を据え置きにしたままでも、報酬以外の他の条件を緩めることによって、フリーランス側にメリットを感じてもらうことができます。

たとえば、成果物の納期に遅れがちなフリーランスに対しては、納期を延ばすことによって、報酬上げ要求に対抗し、譲歩することができるでしょう。

あるいは、企画と制作など、複数の業務をワンパックにしていた依頼の場合ならば、企画業務を省略して業務の負担を軽くすることによって、譲歩する手も考えられます。

資金繰りが厳しいので、報酬を早く振り込んでほしいと過去に要求してきたことがあるフリーランスに対しては、支払いサイトを縮めて振り込み時期を早めることも、喜ばれる場合があります。

このようにフリーランスの業務負担を軽くすることは実質的な報酬アップだということもできるからです。

 

あらかじめ、報酬アップの条件を提示する

フリーランスはしばしば、「依頼された成果物を依頼通りに納品すること」だけが、自分の仕事の内容だと考えがちで、その先まで思いが至らない場合が少なくありません。

その一方で、クライアント企業にとっては、フリーランスが納品した成果物によって「どれぐらい売上が伸びたのか」が、最大の関心事であることがほとんどです。

つまり、自分の仕事によってクライアント企業の売上に貢献しようとする意識を持っているフリーランスは、割合として非常に少ないのです。

 

そこで、「報酬を上げる条件」を前もって提示すると、フリーランスは自分自身の仕事の貢献度が目に見える形になりますし、やる気も向上しやすいです。

たとえば、ウェブに載せる記事制作の仕事をライターに依頼するのでしたら、記事に付いたFacebookの「いいね」やTwitterリツイートの数などが一定数以上で、十分に拡散されたと認められた場合には、報酬アップを約束すると提示するのも、ひとつの方法です。

この場合は、「いいねやリツイートが多かった場合」という曖昧な条件ではなく、具体的な数字で示すことが重要となります。条件を曖昧にすることは、フリーランスとの間での信頼関係を損ないかねないためです。

あるいは、「1年間、依頼と納品を継続した場合には、報酬アップします」でもいいですし、署名記事であれば、「Yahoo!ニュースで採り上げられた場合」などの条件も、具体的で有効といえます。