2020.12 サイトをOPENしました。

未経験者のフリーランスに発注するメリットは? デメリットもある?

 

企業が正社員を採用する場合には、新卒を中心にその業務の未経験者を採用することが少なくありません。

日本企業では基本的に、未経験者の新人には社員教育をほどこして、その先のポテンシャル(潜在能力や伸びしろ)に期待する傾向があります。よって、その人が今、できることよりも、その会社に染まれる柔軟性や人間性があるかどうかを判断基準にしていることが多々あります。

では、フリーランスの場合はどうでしょうか? 未経験のフリーランスを採用することにとって、クライアントにとってはどんなメリットがあるのでしょう。また、デメリットはあるのでしょうか。

 

未経験、経験の浅いフリーランスに発注するメリット

 

支払う報酬の水準を安くできる

経験豊富なフリーランスに支払う報酬は高く、未経験あるいは経験の浅いフリーランスに支払う報酬は安いというのが、どの業界でも標準的な相場です。

業界歴が長く、繰り返し発注が来ているフリーランスが生み出す成果物は、やはり、品質が高く、顧客からの口コミも良好で、クライアントのビジネス(売上)に及ぼす効果も高いと考えられるからです。その実力や実績に対して、クライアント企業は高水準の報酬を支払っているのが実情です。

よって、外注費用に多額の予算を掛けられない場合、まずは未経験者にターゲットを絞って募集してみるのも、ひとつの方法です。

 

その代わりに、発注内容を最初からハッキリと書いておいて、できあがってくる成果物の品質をしっかりと責任を持ってコントロールする必要があります。

たとえば発注内容は、誤解の生じない具体的な表現の文章で、「してほしいこと」と「してほしくないこと」をあらかじめハッキリと伝えておくことが重要です。

ベテランのフリーランスであれば、言わずもがなで「あ・うんの呼吸」で理解してくれたり、「常識」として言わなくてもわかってくれることもあるでしょう。

一方で、経験の浅いフリーランスに対しては、クライアントが主導するべきです。できるだけ多くの要望を詳しく伝えて、発注から受領までをマネジメントしていくのがベストです。

 

「掘り出し物」の人材に出会える

未経験、あるいは業界歴が浅くても、品質の高い成果物を創り出すことができるフリーランスはいます。ローコストで、ハイクオリティのものを納品してくれる、いわゆる「掘り出し物」ともいえる人材です。

 

たとえば、今まで趣味でプログラミングをしていたけれども、フリーランスのSEとして発注を受けるのが初めてだという場合。また、子どもの頃から絵を描くのが大好きで副業としてイラストレーターをやりたいといったケースなどが、これに該当します。

たしかに、自分自身の技術を有料で販売した経験や職務として行った経験はないかもしれません。ですが実際に、プログラミングやイラストなどで手を動かしてきた時間は長く、一般的な未経験者と比べても技術的に、すでに1つ2つ抜きん出ている可能性が高いのです。

 

「掘り出し物」かどうかを見極めるためには、事前に「テスト納品」をしてもらえばわかります。あるいは、ブログやSNSなどですでに公開されている作品集をもとに判断することもできます。

 

未経験、経験の浅いフリーランスに発注することのデメリット

 

クライアントの期待を満たす仕事をしてくれない場合がある

ほとんど経験のないフリーランスに発注をする場合、納期の遅れや思わぬ要求など、満足のいく仕事ぶりが得られない場合があります。

 

よくあるのが、技術レベルは高いけれども、こだわりがあまりにも強すぎて、フリーランスの側から「納期の延期」を繰り返し求めてきたり、「テーマの変更」を要求してくるケースです。

時間をいくらでもかけられる趣味の範囲であれば、そうした「こだわり」が受け入れられることもあるかもしれません。ですが、フリーランスとして依頼を受ける立場では、あくまでビジネスです。そのこだわりが、クライアントにとって迷惑になることも少なくありません。

 

ここは、一定のリスクとしてあらかじめ許容しておくべきでしょう。

その上で、たとえば、自分の氏名を出して趣味で活動しているフリーランスであれば、「あなたの氏名は出さなくていいので、納期に間に合わせることを最優先でお願いします」と、しっかり伝えておきます。事前にこのような予防措置を講じておくことで、納期も遅れず、いい意味で「そこそこ」の水準で成果物を出してくれるようになるはずです。

 

品質の低い成果物が納品されるリスクがある

何度も仕事の依頼を受けたことのあるフリーランスであれば、問題が起こった場合でもすぐに修正できます。

しかし、最低限の水準すらも満たしていない、自称フリーランスの素人さんにこうした対応を求めても、できないことがほとんどです。クライアント企業の立場としては、担当者がどうにかするしかない、ということになります。

 

とはいえ、品質の低い成果物に対しては、報酬を支払いたくないのが本音でしょう。

かといって、フリーランスに対してクライアントが教育をする責任はありませんし、何度も修正要求をかけることは、下請法の規制に引っかかるおそれがあります。

未経験、あるいは経験の浅いフリーランスに依頼するときは、ひとりに絞らず、複数人に同時に依頼することで、リスクを分散、軽減させるようにしましょう。コストは少しかかりますが、後々トラブルにならないための予防はしておくべきです。

 

未経験者への依頼はリスクも多いですが、やり方によっては、コストを抑えつつ、一定レベル以上の成果物を納品してもらえることもあります。最初はとくに手間暇がかかってしまいますが、技術的にも人柄の面でも納得できる依頼相手を見つけ出したいものです。