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【フリーランス・副業ライター活用方法】経歴は、どう判断すべきか?

 

ライターと契約する前に、履歴書や職務経歴書などで、過去にどのような仕事をしてきたのかをチェックするクライアント企業も多いでしょう。

ただ、ライターが執筆している範囲(場所)、とても幅広いです。どのような経歴から、どういう能力を持っていると推定できるか、この記事で解説していきます。

 

Webサイトの記事

一昔前は、ライターといえば雑誌や本で記事を書いていましたが、今はWebサイトが一般的です。会社のホームページ(コーポレートサイト)やキャンペーンサイト、ニュースサイト、オウンドメディアなど、多種多様な(しかも膨大な)サイトで、ライターが書いた記事が掲載されています。

Webサイトに掲載される記事は、主に、無署名(無記名)記事と署名記事の2つに分かれます。

 

無署名記事

名前を出さないか、あるいは、別の筆者の代筆として記事の原稿を制作している場合です。

無署名記事の場合は、ライター初心者でも書くことができますので、文章力そのものを精査する必要があります。加えて、依頼したい記事のジャンルと同じ、あるいは近いジャンルで書いた実績があるかどうかをチェックして、求めるレベルと合っているかどうかを検討します。

 

無署名記事の場合は、仕事ほしさにライターが実績のウソをつくこともできます。ウソをつくことが可能なのと、実際にウソをつくことは別次元の話なので、ライターに通常の道徳観があれば、実績でウソをつくことは稀です。

とはいっても、念のため、テストライティングを行って、実績として挙げている記事と比較し、文章力や、語彙力、文体などがほぼ一致しているかどうか確認したほうがいいです。

 

署名記事

ジャンルにもよりますが、自分の名前を出して記事を書けるのは、そのサイトやジャンルで一定の信頼度や専門性を獲得できている証拠といえるでしょう。

ただしペンネームの場合は、実績でウソをつくことができてしまいます。無署名記事の場合と同じような注意とチェックをしたほうが無難です。

 

インタビュー記事

自分の知っている専門知識や、調べたりしたことを記事にするのと、取材をした人の話を記事にするのでは、違ったスキルが求められます。(どちらの方が能力が高いということではありません)

 

取材・執筆

インタビュー記事を書くには、まずは取材をします。取材対象者に気持ちよく話してもらい、さらに、(他では得られない)おもしろいを引き出すためには、コミュニケーション能力はもちろんのこと、的確な質問をするための予備知識や、話の筋道を把握する能力が必要です。

こうした能力は経験によって培われる部分が大きいため、採用する時には、インタビュー記事の実績があるかどうかを必ず確認するべきです。

 

テープ起こし

インタビュー記事といっても、単純に録音された音声を文字起こしするだけのこともあります。これをライターの実績として含めることについては注意が必要です。なぜなら、テープ起こしの能力とライティング能力は、似ているようでまったく違うスキルだからです。

 

テープ起こしは、音声を聞き取って文字化するため、その単調作業に耐えて集中するスキルが求められます。一方で、インタビュー記事のライティングは、音声の再現だけでは足りず、記事として成立させるために補足したり、順番を入れ替えたりする構成スキルが求められます。

 

電子書籍の出版実績

最近は、電子書籍で出版をするケースも増えてきました。出版社が紙と電子書籍の両方、または、電子書籍のみで出版をする場合以外では、どのような判断が考えられるのでしょうか。

 

Kindle出版

Amazon Kindleのダイレクトパブリッシングは、基本的に、誰でも、どのような内容でも電子書籍にできるサービスです。「本を出している」というと聞こえがいいですが、Kindleで出版したことがあるという実績は、基本的には、ブログに近い扱いで問題ないでしょう。あまり過剰に評価すべきではありません。

ただし、有料にもかかわらず500冊~1,000冊以上売れているのであれば、Kindleの世界ではベストセラーと言っていいレベル(プロの小説家や執筆者を除く)です。その場合は一定以上の評価をしてもいいでしょう。

 

そのほかの電子出版

最近では、出版社から独立して電子書籍レーベルを立ち上げているプロのフリー編集者も増えてきました。そのような版元から出す電子書籍であれば、編集者の審査が入りますので、ハードルはある程度高いです。よって、Kindle出版よりも高く評価してもいいかもしれません。

ただし、費用さえもらえれば何でも出すような姿勢のレーベル(版元)もありますので、注意は必要です。同じレーベルからどのような本が出ているのかを、調べてみると傾向が掴めるはずです。

 

自費出版の実績

紙の書籍であっても、自費出版であれば注意が必要です。ある程度は編集の手が加わるとはいえ、事実上は、150~300万円程度の費用さえ出せれば、著者の思うがままに出版できる形態です。むしろ、Kindle出版と近い評価で構いません。

自費出版を受け付けている出版社は、社名でわかりますので、念のためWebなどで自費出版の可能性を調べておきましょう。

 

商業出版の実績

商業出版とは、出版に必要な費用を出版社が全額負担し、著者は印税を受け取れる出版形態です。そのため「売れる可能性を見込める」著者や企画でしか、商業出版はできません。一定レベル以上の”お墨付き”がある状態だといえます。

 

ブックライティング

別の著者に代わって、原稿を代筆する仕事です。かつては「ゴーストライティング」とも呼んでいました。ライターの名前は、せいぜい、あとがきの「著者からのお礼」で出てくる程度ですが、原稿の執筆を丸ごと任されているということは、ライターとしてのスキルは相当高いです。

 

共著

複数の著者がいる本で、執筆陣のひとりに加わっている場合です。複数人で手分けして書いているので、原稿の分量は少ないです。とはいえ、専門家として業界内で信頼されている証拠です。高く評価すべきでしょう。

 

自著

商業出版によって、自分の名前で本を出しているのは、ライターとして、そしてその分野の専門家として最高峰のステータスだといえます。この実績は、クライアント企業として最も高く評価すべき実績です。

 

まったくの初心者ライターの場合

今までに原稿を書いた経験がないけれども、「文章を書くのが好き」という理由で、ライティングの仕事に応募する人もいます。

多くの場合は、そのつたなさに幻滅させられるでしょうが、中には「掘り出し物」といえる逸材も眠っています。そういう埋もれた才能を発掘して、一人前のライターに育てるのも、クライアント企業の喜びのひとつといえます。

ただ、スキルを判断できる実績がないので、必ず、テストライティングで1,000~2,000字程度の原稿を書いてもらいましょう。

 

初心者が相手ですから、「こういう項目で書いてください」と箇条書きで指定したり、「他のサイトから一部でもそのまま転載しないでください」「こういう言葉づかいはやめてください」「他の記事を引用するときはこうしましょう」など、事細かに指示すると、意図が伝わりやすいです。