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自覚症状ありませんか? ライターからの信頼を失う記事の制作依頼

 

ある程度の経験があるフリーランスのライターなら、誰もが一度は「理不尽な編集者」「疲れるクライアント」に当たったことがあります。

もし、あなたが外部のプロに依頼するクライアント側の担当者であれば、フリーランスに煙たがられるような存在になりたくありませんよね。

といっても、大それたことをする必要はありません。特別に好かれようとしなくても、『してはいけないことを絶対にしない』だけで、自然と信頼度は上がっていくものなのです。

 

そこで今回は、しっかりと実力のあるフリーランスライターから嫌がられることなく、共に仕事のパートナー同士の信頼関係を築き、一定以上の品質の原稿を納品し続けてもらえるため、フリーランスに対して「やってはいけない」依頼についてご紹介します。

 

上司と部下の関係だと勘違いする

しばしば間違いを起こしがちなのは、「フリーランスを使う」という発想です。

 

当たり前のことではあるのですが、クライアント企業とフリーランスの間に、雇用関係はありません。

にもかかわらず、まだ取引実績もない、原稿料を1円も支払っていない段階で、平気で指示や命令を出すクライアントがいるようなのです。

 

専門的なスキルを提供するフリーランスと、依頼主であるクライアント企業は、対等な関係で取引をしなければなりません。

もし、雇用関係があれば、経営者が従業員に対して、あるいは上司が部下に対して「業務命令」を出して指示することもできます。しかし、それは「毎月、一定額の給与が支払われる」という対価関係で裏付けられています。

 

もちろん、クライアントとフリーランスの間で雇用契約が結ばれていることはありません。

上司が部下に対して指示を出すのと同じ感覚でフリーランスに指示をすると、一気に信用を失います。

 

  • 打ち合わせや納期の日時を一方的に設定する
  • 打ち合わせの場に遅れて平然としている
  • フリーランスの意見を聞かない、却下してばかり
  • フリーランスへのダメ出しばかりで案件が進まない
  • 原稿料を後払いにしているのに、ライターへの要求が多い
  • ダメ出しをするばかりで、褒めたことがない
  • 誤字脱字を修正するレベルを超えて、原稿を勝手に書き換える
  • 原稿料を約束通りに振り込まない

 

たとえば、上記のような扱いをフリーランスにしていれば、そのフリーランスは何も言わずに離れていくおそれがあります。

ちなみにこの中には、そもそもパワハラとされるため、自社の部下に対しても行ってはならない行為や、下請代金支払遅延防止法(下請法)違反に該当する可能性もあるなど、法的リスクもあります。

 

対等であるはずのフリーランスを下に見て、雑に扱っていると、クライアント企業は後で痛い目に遭います。

ライター同士のネットワークで、「問題あるクライアント」として噂が広がるおそれもありますので、接し方には十分に気をつけましょう。

 

一貫性のない依頼

以前に言っていたことと違う話を、平気で始めるクライアントも、フリーランスのライターには嫌われます。

 

  • 「任せる」と言っておきながら、あとでライターが作った成果物を否定する
  • 「全部できなければ判断できない」と言っておきながら、制作途中で口出ししてくる
  • 自分が平気で前言を撤回するのに、ライターに約束遵守を厳しく徹底する
  • 自分の伝え方が悪いのを棚に上げて、「理解力が足りない」などとライターを責め立てる

 

このような振る舞いは、自社の外部にいるプロのフリーランスに対して、最低限の尊重をする気持ちを欠いていることによるものです。単に「部下扱い」する場合よりも理不尽で、たちが悪いといえます。

言うことがコロコロ変わるクライアントに対しては、ライターのほうにも「約束を1回ぐらい破ってもいいか」と思わせてしまい、悪循環にしかなりません。

 

他人と比較しない

フリーランスを相手にする場合に限らず、他人と比較しながら誰かを批判することほど、不毛なことはありません。

「前のライターは、もっと優秀だった」などとライターを責めることなど、あってはならないのです。「それなら、その優秀なライターに依頼すればいいじゃないか」と、遺恨を残してしまうだけです。特に、プロジェクトに特定のライターが定着していない場合は、その時点で新任のライターに「なんだか怪しい」と思わせてしまいます。

 

 

普段のコミュニケーションの中で、こうした態度が見え隠れしているクライアント側の担当者は、ほとんどの場合、自覚症状がありません。

特に、社内の同僚や上司に対するコミュニケーションは柔らかいのに、外注のフリーランスに対して強硬な態度を取りがちな人は、自分自身の問題に気づく機会もないというのが現状だと思います。

なぜなら、「この依頼はブラック案件かもしれない」と察知したフリーランスは、何も言わずに静かに去って行くからです。雇用関係で繋ぎ止めることができないからこそ、少しでも異変を感じたら、すぐに逃げられてしまいます。

 

なお、依頼を辞退するとき、ライターはメールなどで「スケジュールの関係」「一身上の都合」などと、依頼を辞退する表面的な理由は述べてくれます。しかし、多くの場合、クライアントの対応に大きな不満や無念さを抱えています。

 

その感情を敏感に察知するクライアントでありたいものですね。